こんにちは。
子宝ちゃんねるのライターのぞみです。
妊娠したら元気な赤ちゃんが産まれる。当たり前にそう思っておられる方は多くいらっしゃると思います。と同時に誰もがそうであって欲しいと願っていることでしょう。
しかし、現実は赤ちゃんが産まれてくるのは、決して当たり前のことではありません。
今回解説させていただく「流産」は誰にでも起こりうること。事前に症状や原因、確率について頭に入れておくことは大切です。
それでは、流産の種類や確率、手術や流産後の妊娠についても詳しく見ていきましょう。
流産について
妊娠22週目未満に何らかが原因で妊娠が終わってしまうことを「流産」と言います。ここからは流産について詳しくお話しさせて頂きたいと思っております。
現在、全ての妊娠における流産の確率は15%~18%です。きっと皆さまが想像していた以上に大きな数字ではないでしょうか。この数字から、妊娠した女性のおよそ6人から7人の内1人は流産経験者、と言うことがお分かり頂けるかと思います。
流産体験者の方の多くは、あまり人には話さないのでこの数字を見て驚かれる方も多いでしょう。しかし流産は決して他人事ではなく、現実問題として誰にでも起こり得ることと言えます。
流産の確率と年齢の関係
下記一覧でもお分かりの通り、流産と年齢には大きな関係があります。現在、流産の確率が高くなるターニングポイントは35歳と言えるでしょう。
流産と年齢の関係
34歳まで 流産の確率12%
35歳~39歳まで 流産の確率20%
40歳~44歳まで 流産の確率40%
45歳以上 流産の確率50%
年齢を重ねるにつれ卵子が老化し、その結果流産の確率が高くなってしまうのが現状です。
お子さんを望むご夫婦にとって、流産を経験すると言うことはたとえ1度でも、大きな悲しみとなるでしょう。
お腹の中で赤ちゃんが育てば育つほど、いなくなった時の悲しみは、言葉では言い表せない、輪郭のない大きくて深い悲しみになることと思います。
しかし流産は、自分たち夫婦だけに起こった特別なことではない、と言うことを知り、ご自分を責めないで頂きたいと切に願います。
早期流産、後期流産の確率
妊娠初期から妊娠12週未満になんらの原因でお腹の中の赤ちゃんが亡くなってしまうことを「早期流産」と言い、その後、妊娠12週目から22週未満までに流産することを「後期流産」と言います。
下記の数字からもお分かり頂けますように、流産は妊娠12週目を境目にして確率がぐっと少なくなります。
- 早期流産(妊娠初期から妊娠12週目)の確率・・・90%
- 後期流産(妊娠12週目から22週未満)の確率・・・10%
また流産には色々は原因があります。
早期流産の場合、お腹の中の赤ちゃんの受精卵や染色体異常などの胎児側の原因であることがほとんどです。言い換えるとこの時期の流産はいくらお母さんが日常生活に気をつけていても、防げるものではないことが多くを占めます。
そして妊娠22週目以降にお腹の中の赤ちゃんが亡くなってしまうと「流産」ではなく「死産」となります。書いているだけでも、悲しい言葉です
流産と週数の関係
それではもう少し詳しく、妊娠の週数別の流産確率を見ていきたいと思います。
- 妊娠5~7週 22~44%
- 妊娠8~12週 34%~48%
- 妊娠13週~16週 6~9%
この数字からもやはり妊娠12週目まで早期流産が多いのが分かって頂けるかと思います。
早期流産のおよそ半分は胎児の染色体異常
流産してしまうと、多くの女性は「あの時重たい物を持ったせいかも」や、「あんなことしなければ、お腹の中の赤ちゃんは無事だったのかも」と、流産した理由を自分の中から探し出し、紐づけしようとする傾向があります。
しかし実際は、流産の原因は約半分が「胎児の染色体異常」と言われております。しかも染色体異常のほとんどが、母体側が原因ではなく、偶然に起こったことが原因となります。
言い替えると、「運悪く染色体異常が起こってしまったせい」ですので、パパやママが何かをしたからそうなった訳ではありません。このことからも分かるように、流産には避けることのできないケースが数多く存在します。
早期流産の自覚症状
早期流産の症状はかなり注意深くしていても、見つけることが難しいと言われております。
そんな中でも初期流産の症状としてあげられるのが
- 腹痛
- お腹の張り
- つわりがなくなる
- 出血
- 基礎体温が下がる
この辺りになります。
ただこれは流産していない場合でも起こり得る症状がほとんどです。母体側が気づかないうちに、毎月の生理のように体外に出てしまう、と言ったケースもあります。
私の体験談としては、長女を妊娠していた妊娠初期の頃(8週目頃)に少しだけ出血があり、とても心配で担当医に電話をしたことがあります。
その時に言われたが
「症状を聞いているとお腹の張りもないようだし大丈夫だと思いますよ。それに今の時期の流産は止めることができないので、出血しているのであれば家で安静にしているのが一番です。」
とのことでした。
結局、その後家でものすごく安静にしていたせいか妊娠継続し、無事に長女を産むことができました。ただ、これは私のケースであって自己判断は禁物です。
少しでも気になることがあれば、すぐに担当医に電話し指示をもらうようにして下さい。
そして妊娠12週目以降の後期流産になると、母体側に原因があることが多くなります。
ここからは後期流産についてもう少し詳しく説明していきたいと思います。
後期流産について
妊娠12週目未満に起こる「早期流産」に対し、妊娠12週目以降~妊娠22週目未満に流産してしまうことを「後期流産」と言います。
早期流産は胎児側が原因となる場合がほとんどですが、後期流産になると母体側の原因が多くなります。
それではどのような原因で後期流産が起こってしまうのでしょうか。
子宮筋腫
子宮筋腫は子宮の壁にできる言わば「こぶ」のような、良性の腫瘍になります。子宮筋腫ができる原因は現時点でははっきりとは解明されておりませんが、女性ホルモンの影響が大きいとされています。ですので年齢を積み重ね閉経することで、子宮筋腫は自然と小さくなっていくことがほとんどです。
妊娠中の子宮筋腫は、筋腫の多い場合や、一定以上の大きさになっている場合には、出産までは特に注意深く経過観察する必要が出てきます。
しかし子宮筋腫を持っている多くの女性が、無事に赤ちゃんを出産しているのも現状ですので、治療の必要性などについては担当医としっかりと話し合うようにしましょう。
▶ 関連記事:女性なら必ず知っておきたい!子宮筋腫の正しい知識と治療法
子宮頚管無力症
子宮頸管無力症(しきゅうけいかんむりょくしょう)とは、子宮口につながる頸管の閉じる力が弱く、胎児が大きくなることによる重みで頸管が短くなってしまっている状態を指します。
妊婦検診などの超音波検査(エコー)で、子宮頚管が短くなっていたり、内子宮口が開いている状態になると「子宮頚管無力症」と診断されます。
子宮頚管無力症と診断された場合は、必要に応じてあらかじめ子宮頚管を縛る手術をすることで、流産を防ぐことができます。
子宮頚管を縛る方法としては主に2種類あり、どちらも糸やテープなどを用いて施術を行います。
シロッカー法
より高い効果が期待できますが、なるべく子宮口の近くを縛る方法になるため、子宮口の近くを触ることで、お腹が張る、などのリスクが高くなります。
マクドナルド法
子宮口からは少し離れた位置を縛ることで、シロッカー法と比べると効果は少し減りますが、その分手術のリスクも軽減されます。
実は私、1人目を産んだ後に双子を妊娠したのですが、この際
- 出産が2度目であること
- 双子妊娠であること
から、当時の担当医からすすめられ「シロッカー法」の施術をしたことがあります。双子の重みで予定日より早くに生まれてしまわないように、とのことで必要な手術と説明を受けました。
正直当時の心境としては、子宮頚管の長さが十分にあり、1人目も予定日を過ぎても生まれてこないほどしっかりとした子宮口、子宮頚管だったのに、どうして2回目の妊娠で双子妊婦、と言うことだけでリスクの高い「シロッカー手術」を受けないといけないのか、当時の私は不満がありました。
しかしシロッカー手術を受けたことにより、双子はスクスクとお腹の中で大きくなり、当時の目標であった妊娠10ヶ月までお腹の中に居る事ができました。
シロッカーの手術後、毎朝お腹の張りを測るのですが、お腹の張りが収まっていなければ退院できません。私の場合、本来であれば術後1週間程度の入院を予定しておりましたが、術後お腹の張りがなかなか収まらず、退院できたのは手術後からおよそ10日後のことでした。
ひどい方はそのまま出産まで退院できない方もいらっしゃるそうで、私もいつ退院できるのかと毎朝お腹の張りを測る時には、「今日は張らないで~」と心の中でお願いしていました。
当時は上の子と離れていましたので、とても長く感じる入院期間でしたが、結果受けておいて良かったのだろう、と今となっては思います。
絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)
最近では羊膜感染(ようまくかんせん)とも呼ばれておりますが、母体が細菌に感染することにより、赤ちゃんを包んでいる膜に炎症が生じてしまうことを言います。
絨毛膜羊膜炎に感染すると、母体を守ろうと子宮の中の感染源を除去しようとする働きがあり、結果、流産や早産が起こりやすくなるとされています。
また母体が細菌感染することにより、流産や早産が起こる理由として、お腹の中の赤ちゃんに細菌感染をさせないためとも最近は考えられています。
絨毛膜羊膜炎は早期発見がとても重要になりますので、下記のような症状がある場合には、担当医に相談するようにしましょう。
- お腹の張り
- 子宮頚管が短くなっている(医師からの指摘になります)
- 生臭いおりもの(色はグレーがかった状態、量が多いなど)
また妊娠中は、絨毛膜羊膜炎の診断を確定することはできません。その為、分娩後、胎盤を病理検査に出す事で、はっきりとした診断をしてもらうことができます。
また絨毛膜羊膜炎は、症状がはっきりとあらわれる「顕性(けんせい)」と、はっきりとした症状があらわれない「不顕性(ふけんせい)」の2つに分かれます。
臍帯過捻転(さいたいかねんてん)
臍帯過捻転とは、臍帯(へその緒)が何重にもねじれてしまう状態です。臍帯はお母さんから胎盤、そして胎盤から赤ちゃんへと酸素や血液や栄養を送り、また赤ちゃんからお母さんへ老廃物や二酸化炭素を送り出す大切な役割があります。
お腹の赤ちゃんにとって、臍帯は大切な生命線となり、臍帯に異常が起こると、赤ちゃんの成長に大きな影響を与えることになります。
通常、臍帯は狭い子宮の中でも伸縮できるようにぐるぐるとねじれた状態になっています。しかし何らかの原因でねじれ過ぎてしまい、血液などが赤ちゃんに届きにくくなることを臍帯過捻転と言います。
臍帯過捻転の原因は、お腹の中の赤ちゃんが激しく動くことという一説もありますが、現時点でははっきりとした原因は解明されておりません。
自覚症状はなく、お母さんのチカラで気付くとしたら「昨日まで元気に動いていたのに、今日は胎動が弱いな」と言うことくらいになります。
流産の種類
それでは次に流産の種類についてお話ししたいと思います。病名に「流産」と名前が付いていても、食い止められる場合もありますので、ぜひご覧になって参考にしてみて下さいね。
切迫流産
妊娠22週目未満で、流産しかかっている状態を指します。言い換えると「流産の恐れがある状態」ですので、そのまま無事に出産される方も多くいらっしゃいます。
もし「切迫流産」と診断された場合は、安静にしていなければいけません。この時大切なのは「なるべく安静」ではなく、「絶対安静」にすることがとても重要なこととなります。
場合によっては、その場ですぐに入院が必要な場合もあります。入院すると子宮が収縮するのを抑えるお薬や点滴等、必要に応じた処置を受けることができます。
突然のことで入院の準備はもちろん、家のことも心の準備も出来ておらず戸惑うお母さんも多くいらっしゃるかと思いますが、この時期お腹の赤ちゃんを守れるのはお母さんだけです。
子宮の中の赤ちゃんの心拍が確認できれば、妊娠継続ができる可能性がありますので、担当医からの指示に従うようにして下さい。
稽留(けいりゅう)流産
早期流産で最も多いのが、「稽留(けいりゅう)流産」になります。子宮の中で赤ちゃんは亡くなっていますが、お母さんのお腹の中で留まっている状態のことを指します。
稽留流産では腹痛などの自覚症状もほとんどないことから、妊婦検診での超音波検査ではじめて流産に気が付くお母さんがほとんどです。また症状がない為、突然の流産の診断を受け入れられないお母さんが多いのも現状です。
経過としては、赤ちゃんが自然に出てくるのを待つ場合もありますが、放っておくと出血や強い痛みを伴う危険性もありますので、稽留流産が発覚してから手術が必要かどうか、先生により判断することになります。
進行流産
進行流産は子宮口が開いていて、流産が進んでいる状態になります。上記の切迫流産よりも出血量が多く、人によっては陣痛のような強い痛みの下腹部痛を感じる方もいらっしゃいます。
進行流産がはじまると、残念ながら流産を止めることはできません。下記でご説明させて頂く「不全流産」か「完全流産」のどちらに進むかにより、対応が違ってきます。
不全流産
進行流産の後に、赤ちゃんや胎盤が全て排出されず、子宮の中に一部が残っている状態を不全流産と言います。母体は出血や痛みが続いている状態が多いことからも、子宮内容除去手術を行うことがほとんどです。
完全流産
流産が進行した後、赤ちゃんや胎盤などが全て子宮の外に排出された状態を指します。完全流産は、出血や腹痛が無くなりますので、手術などの処置も不要となります。必要に応じて「子宮収縮剤」や「痛み止め」「止血剤」の投与や処方が行われます。
化学流産
化学流産とは、妊娠検査薬で「陽性」反応が出たものの、産院でのエコー検査で妊娠が確認できる前に流産してしまうことを言います。
妊活中ではない方や、ひと昔前までは、妊娠していることに気が付かないまま、この「化学流産」をしている方も多くいらっしゃいました。
しかし現在は妊娠検査薬がドラッグストアなどでも売られており、病院に行かなくてもかんたんに検査することができるので、化学流産に気づく方も多くなりました。
流産の手術
ここからは流産の手術についてお話しさせて頂きたいと思います。
上記でもご説明させて頂いた「完全流産」の場合は、子宮の内容物が全て外に出ていますので、基本的には流産後の手術は必要ありません。
しかし「不全流産」の場合は、子宮の中にまだ赤ちゃんや胎盤などが残っている状態になりますので、感染症を発症させない為にも、なるべく早い時期に手術が必要となります。
早期流産は手術なしで「待つ」ことも可能
現在、流産の中で一番多いのは、妊娠6週目~9週目頃に起こる「稽留流産」です。上記でも説明させて頂きましたが、稽留流産は子宮の中ではまだ胎児や胎盤が留まっている状態です。特に妊娠7週目以降になると手術で出してあげる方法をすすめる先生も多くいらっしゃいます。
しかし妊婦健診のエコーで突然、流産を告げられすぐに手術を選択できるお母さんも少ないでしょう。心がついていかないまま、手術を受けることで、心に大きな傷を残してしまう可能性もあります。
ですのでもし、担当医から手術をすすめられた場合でも、納得のいかない場合は再度しっかりと説明を受け、ご自身が納得した上で手術することをおすすめします。
妊娠12週目未満の「早期流産」の場合には、担当医の考えによっては、「手術」を選択することも、また自然にお腹の中から赤ちゃんや胎盤が排出されるのを「待つ」こともできます。
しかし「待つ」場合には、突然の出血や腹痛などのリスクが伴いますので、現状としては、手術を選択する医師が多いのが現状です。
手術の前には子宮頸部を拡張する事前準備が必要
流産の手術(子宮内容除去術)では、手術の前に「ラミナリア」もしくは「ラミセル」を使って子宮頚管を広げておく必要があります。
ラミナリア
天然の海藻を使用した直径約5mm、長さは約6cmの言うならば、タンポンのようなものです。水分を含むことで少しずつ膨張し、12時間から24時間程かけて2~3倍の大きさまで膨らませることができます。膨らませるのに時間がかかることから、主に前日から挿入する場合にはこちらの「ラミナリア」を使用します。
ラミセル
硫酸マグネシウムを含んだ高分子素材でできております。ラミナリア同様、水分を含むことで膨らみます。膨らませるのにラミナリア程は時間が掛からない為、当日(日帰り入院)に挿入する場合にはこちらの「ラミセル」を使用することが多くなります。
ラミナリア、ラミセルを挿入する際は、どちらも痛みを伴いますので、痛みに弱い方などは事前に担当医に相談しておくことをおすすめします。
子宮内容除去手術について
子宮の内容物を取り除く方法として、現在2種類の手術があります。
掻把法(そうはほう)
子宮の中に胎盤鉗子(たいばんかんし)と呼ばれる専用器具を用いて、子宮の内容物(胎児や胎盤)をつまんで、子宮の外に出します。
取り切れなかった組織片などは、キュレット(大きな耳かきのような器具)を用いて、子宮の中を空にします。
掻把法のメリットとしては、感染症等のトラブルが起こりにくくなります。デメリットは子宮の中を傷つけてしまう可能性があること、後は子宮筋腫等をお持ちの患者さんの場合は、手術に時間が掛かってしまいます。
通常は10~15分程度の手術時間になり、静脈麻酔をすることにより、痛みを和らげながら手術を行います。
吸引法
電動式の真空吸引ポンプを使い、一定の圧で子宮の内容物を吸引します。
吸引法のメリットは手術時間が短く済みますので、母体への負担も軽減され、また合併症のリスクも少なくなります。デメリットは胎児が大きくなると吸引しにくくなることです。
手術時間は10分程度で、麻酔は掻把術と同じく静脈麻酔をすることにより、痛みを和らげながら手術を行います。
2つの手術方法がありますが、現在「世界保健機構(WHO)」では、より安全と考えられている「吸引法」が推奨されておりますが、日本では昔ながらの「掻把法」を支持する意見も多く見られます。
また上記の手術では、基本的には「日帰り入院」か「一泊二日の入院」になります。
後期流産は陣痛促進剤を使用し分娩する
妊娠12週目~22週未満の後期流産の場合は、手術ではなく陣痛促進剤を用いて、分娩する方法となります。
それでは流産の手術にはどの位のお金が必要になるのでしょうか。
流産後の手術には健康保険が適用されます
まず、流産後の手術には健康保険が適用され、窓口では3割負担の金額になります。
ただし、妊娠が継続できるにも関わらず、母体保護の為に行われる人工流産の手術には、健康保険は適用されません。
早期流産の手術費用の目安
妊娠12週未満の早期流産の手術は、主に上記でご説明させて頂いた「掻把手術」や「吸引法」になります。
費用はだいたい1万円~3万円程度が一般的な金額となります。
後期流産の手術費用の目安
妊娠12週目以降になると、上記2つの手術が行えません。通常の出産と同じ処置となるため、分娩費用が必要となります。分娩費用は健康保険が適用されないので、数十万円かかりますが、妊娠12週目以降の流産や死産の際には、健康保険より「出産育児一時金」として、1人の赤ちゃんに対して42万円が給付されます。
手術後の痛みや出血はいつ頃まで続く?
流産の手術後、痛みや出血が見られる場合があります。これは子宮が妊娠する前の状態に戻ろうとしている「子宮復古」のためだと言われています。
ほとんどの場合は、術後1~2週間程度で痛みや出血は治まります。しかし2週間以上痛みや出血が治まらない場合は、手術を受けた病院に相談するようにして下さい。
また、出血量が多い場合や、熱がある場合、日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合も、1度担当医に相談することをおすすめいたします。
手術後の生理
流産の手術の後、一般的には3週間から6週間程度で再開する方が多いと言われています。ただ流産後は身心的なストレスなどにより、生理の周期が乱れやすくなっていることもありますので、目安としてお考え頂ければと思います。
手術後の妊娠
一般的に流産後は、少なくとも1回~3回程度は生理を迎えてから、妊活をするようにと医師から言われることが多いでしょう。焦る気持ちがある方もいらっしゃるかと思いますが、流産により受けた身体や心のダメージが回復するのを待つ時間も必要です。
また流産してすぐの妊娠は、思った以上に身体に負担がかかってしまいます。ですので子宮や卵巣の状態が十分に回復し、担当医から指示があるまでは、妊活は一時中断することをおすすめいたします。
ここからは、私の話になってしまい恐縮なのですが、実は私、上の子を産んだ後に化学流産をしたことがあります。
化学流産は医学的には流産にはカウントされないと言われています。まだ胎嚢を確認した訳でも、心拍を確認した訳でもありませんが、当時は自分の行動を振り返り、責めてばかりいました。
しかしそんな気持ちに主人は全く気が付かなくて、悲しい気持ちにより一層のめり込んだ時期もありました。
その時に思ったのは、女性はお腹の中に赤ちゃんが出来たと分かった瞬間から母になることができますが、男性は実際に赤ちゃんが産まれた時点でないと父にはなれないのかもしれないんだな、と。
そして、化学流産の数か月後、次に妊娠したのが双子でした。その時、(この双子ちゃんの内、1人は絶対に前にお腹に来てくれた子だ)と思いました。もしかしたら現実には魂なんてものはなく、そうではないのかもしれませんが、そう思うことで、化学流産をした悲しみを癒すことができました。
ここからは流産をしてしまった悲しみを、少しだけ和らげるエピソードをご紹介させて頂きたいと思います。
産まれないと決めている赤ちゃんもいる
お腹の中に赤ちゃんんを授かった喜びも束の間、赤ちゃんが天使になってしまったお母さんの悲しみは、計り知れないことだと思います。
医学的なお話しからは少しそれてしまいますが、流産について詳しく調べていると、最初から雲の上に帰ると自分で決めて帰ってしまうあかちゃんもいるそうです。
退行催眠(たいこうさいみん)と言って、催眠により潜在意識では忘れてしまっている過去を思い出し、悩みを取り除いていく療法があります。
退行催眠をすることにより、お母さんのお腹の中にいた時、へその緒を首に巻いたり、へその緒を握って血流をコントロールして雲の上に帰ろうとしたことを思い出すお子さんもいらっしゃるそうです。
なぜ産まれない、と決めているのか
それでは「産まれない」と決めているのに、なぜお母さんのお腹の中に宿るのでしょうか。
理由は赤ちゃんによって様々です。
- この世界がどんなところか、観光旅行気分でやってきて、少しだけお腹の中の世界を経験しただけで十分満足して帰って行った赤ちゃん。
- 思っていた性別とは違ったので、今回はキャンセルして次の受精を待つと決めた赤ちゃん。
こう思うと、流産を経験した悲しみも少しは和らげることができますね。
4歳の女の子のおはなし
流産をした後に生まれた4歳の女の子が、ある時お母さんに
「前にママのお腹に入っていた赤ちゃんは私だったのよ。あの時帰ったのは本当にこのママとパパでいいのか1度見にきたの。それでだいじょうぶだと思ったから、次は本当にきたのよ」
とお話してくれたそうです。
流産を経験したお母さんは自分を責めがちになってしまいますが(私もそうでした)、たいていの場合はそれは勘違いです。
赤ちゃん本人が産まれることを決めているのなら、多少動き過ぎたせいや、ストレス、夫婦げんか程度で流産にはなりません。
ですので流産後の深い悲しみの中、さらにご自分を責めることはしないで頂きたいと心から願います。
上の子が教えてくれることもある
妊娠が分かる前に、上の子から「ママのお腹に赤ちゃんがいるよ」と言われたそうです。すぐに妊娠検査薬を購入し、検査をしてみると結果は「陽性」。だけど急に「ぼくはまだおにいちゃんにはならない」と言われ、その数日後に流産が発覚したそうです。
そして数カ月後、「つぎにくるあかちゃんはおんなのこだよ。うまれてくるのはちゅーりっぷがさくころかな」と言い出し、次の春、本当に妹さんが産まれたとのことです。
不思議な話は続きます。
赤ちゃんを雲の上に帰してあげて
流産を経験した色々なお母さんからお話しを聞いていると、赤ちゃんはお母さんの身体から出た後も、しばらくはお母さんの側にとどまるようです。
とあるお母さんは
「流産した赤ちゃんがお母さんの身体から出てから50日程経ったある日、上の子がお空に向かって、ばいばい、と手を振りました」
と教えて下さいました。
死んだ人が天国にかえるのは、仏教では49日と言われております。しかしお母さんの悲しみが深い場合は、49日を過ぎても赤ちゃんはお空の上にかえることができないそうです。
亡くなった赤ちゃんは1度は雲の上に帰っても、お母さんが呼ぶことで戻って来られることもあると言われております。お母さんが赤ちゃんを想うことで、それが目印になって、お母さんがどこにいても見つけられるようです。
このことがもし本当であれば、亡くなってしまった赤ちゃんを一度はお空に返してあげて
「またお母さんのお腹に来てね。そして次は必ず元気に産まれて来てね」
とお願いするのも、いいのかもしれませんね。
まとめ 流産しても自分を責めすぎないことが大切
残念ながら流産は誰にでも起こり得る可能性があります。ほとんどが何の前兆もなく、突然起こることから、心がついていかずに必要以上に苦しんだり悲しむ方も多くいらっしゃいます。
ですがほとんどの流産はいくら日常生活に気を付けていても防げるものではありませんので、どうかご自分を責め過ぎないようにして下さい。
流産後は忙しい毎日の中で、すぐにいつもの日常生活に戻るかもしれませんが、どうか無理をし過ぎないで、旦那様や周りの方に甘えて、ご自身の心と身体が回復するよう心がけて下さいね。
▶ 子宝ちゃんねるの妊活コラム
今回ご紹介した「流産」以外にも、親になるために知っておきたい知識は山ほどあります。子宝ちゃんねるでは妊娠前から覚えておきたい知識をコラム形式でまとめていますので、是非合わせてお役立てください。
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