こんにちは。
子宝ちゃんねるのライターのぞみです。
現在、厚生労働省の調べによると成人女性の5人に1人が貧血、と言うデータが報告されています。
その中でも特に30台の女性は4人に1人、70代の女性は3人に1人が貧血とされています。
男性に比べて女性の方が貧血傾向である理由として、まずは毎月の生理による出血、他にも無理なダイエットをすることで、どうしても女性の鉄分は不足しがちになってしまいます。
では貧血状態のまま妊娠するとどうなってしまうのでしょうか。
妊娠中はママの体からお腹の中の赤ちゃんへたくさんの血液を送るため、貧血はますます深刻な状態になってしまいます。
貧血が重症化することでママの体はもちろん、お腹の中の赤ちゃんにも、加えて出産時にも大きな影響が出てきてしまいます。
実は私も元々貧血気味でしたが、妊娠するまでお恥ずかしながらケアは何も行っておりませんでした。
そして1人目を妊娠した際には、医師より妊娠初期から貧血であると診断され「鉄剤」を処方して頂き、なんとか無事に出産までたどり着く事ができました。
そして2人目が予想外の双子の妊娠。当然ではありますが、双子ですのでお腹の中に赤ちゃんが2人いており、私の体から持っていかれる血液量も2倍必要になります。
今ならきっと鉄を補給しなくちゃ、と思いますが、当時は知識不足&妊娠初期からの重いつわり(双子妊婦はつわりも2倍と言われています)で、生きているのがやっとな状態でした。
ですので鉄分を意識した食事もまったくしておらず、その日その日で食べられるものを口にしながら過ごすのがやっとな状態でした。
妊娠9か月目頃からの管理入院になった際には、ヘモグロビンの数値のあまりの低さに担当医がびっくりしていたのを覚えています。
結局、出産前日までの約1ヶ月ほど毎日鉄剤の点滴をして頂いていたのですが(服用タイプの鉄剤では間に合わない、とのことで)、ヘモグロビンの数値はあまり良くならず、その他にも双子妊婦などのハイリスクな妊婦、と言う理由も重なり、結局出産当日は輸血しながらの出産(帝王切開)となりました。
決して脅かすつもりはありませんが、双子妊婦に関わらず私のようにヘモグロビンの数値が低く、輸血をしながら出産される妊婦さんは一定数いらっしゃるようです。
私は無事に出産できたので、今では笑い話にできていますが、もしも産まれてきた赤ちゃんや私になにか影響があった場合には、間違いなく後悔していたと思います。
ですのでぜひ、こちらのページを参考にして頂き、私のようなハイリスク妊婦にならないよう、そして輸血しながらの出産にならないよう、何よりお腹の中の赤ちゃんのためにも、ご自身の体のためにもしっかりと貧血対策をして頂ければと思います。
この記事のもくじ
貧血を知るにはまずは血液を知る必要があります
まず最初に貧血を知るためには、血液のことを知る必要があります。
人間の体を流れる血液の量は、体重のおよそ13分の1と言われています。
体重が50kgの方でしたら、約4リットルの血液量になりますね。
私達の体にある様々な細胞は、酸素や栄養素を含んだたくさんの血液が24時間絶え間なく体中をめぐることで生かされています。
このお陰で臓器や組織が正常に働き、生命が維持されている、と言っても過言ではありません。
ではその大切な血液は一体どこで作られているのでしょうか?
血液は骨髄で作られている
人間が生きていく上で必要不可欠な血液。この大切な血液を作っているのが、骨の中心部にある「骨髄」です。骨髄では常に新しい血球(赤血球、白血球、血小板)が作られています。
それでは血液がどのように作られているのかを、貧血と深い関わりのある「赤血球」を軸にご説明させて頂きたいと思います。
骨髄で作られる赤血球は、全身を回り、およそ120日程で脾臓(ひぞう)にて破壊されます。
一般的には毎日だいたい赤血球全体の0.8%が死滅していると言われています。
言い換えると、血液の中にある赤血球の数を一定数保とうとすると、その分毎日補給しなければなりません。
骨髄は主に私達が眠っている間に活動し、血球を作り出していますので、睡眠中、体の一番の大きな仕事は、血液を作ることだとも言えるでしょう。
このことから寝不足が続いてしまうと、身体は古い血液を使いまわすことになり、血液検査に現れる程、血液は疲れてしまいます。ですので貧血予防のためにも、まずはしっかりと睡眠時間を確保するようにしましょう。
血液のしくみ
血液は大きく分けて「血球」と呼ばれる形のある成分が40%。残りの60%は血漿(けっしょう)と呼ばれる液体の成分で成り立っています。
また血球にはいくつかの種類があり、それぞれ特有の働きを持っています。
血球の種類について詳しく見てみましょう
赤血球
正常な赤血球は円盤のような形をしています。
赤血球の表面は薄い膜で覆われており、その中にヘモグロビン(血色素)があります。
ヘモグロビンは赤い色素で、このため血液は赤色に見える、と言うことになります。
ヘモグロビンはたんぱく質と鉄が結合してできたものになり、この鉄が体のすみずみにまで酸素を運ぶ役割を担っています。
また代謝で生まれた二酸化炭素を肺に運び、体の外に排出する役割もあります。
白血球
類琉球、リンパ球などがあり、身体に入ってくる細菌やウイルスと戦います。また免疫を作り身体を守る大切な働きがあります。
血小板
けがなどで出血すると、血液を固まらせて血管の壁を修復したり、血液を止める働きがあります。
血漿(けっしょう)
およそ90%が水分になります。残りのおよそ7%がたんぱく質。残りの3%は糖質、脂質、ビタミン、電解質、酵素、ホルモンなどで生成されています。
これらの成分は全身の血管を巡り、細胞や組織を正しい状態に保つための働きをしています。
血液の大切さや働きがざっくりではありますがお分かり頂けたかと思います。
それでは妊娠中はなぜ貧血になりやすいのでしょうか?
妊娠中に貧血になる原因について
ここからは妊娠中はなぜ貧血になりやすくなってしまう原因について詳しく見ていきましょう。
妊娠中は血液中の水分のみが多くなる
女性の体は妊娠すると、出産時やお腹の中の赤ちゃんのためにと、たくさんの血液を確保しようとします。
数値で例えると、妊娠前の血液量に比べて、妊娠後期(32週目頃)の妊婦さんの血液量はおよそ1.5倍になります。驚きの数字ですよね。
しかし実際のところ、血液量は増えていますが、血液の中に含まれている成分も1.5倍になっているか、と言われるとそうではありません。
血液中の水分量が増加1.5倍になるのに対し、赤血球は1~2倍程度しか増加していません。ですので妊娠中はもどうしても血液が薄まったような状態になってしまいます。
これは誰もが起こる妊娠中の生理現象の1つになりますので、それ程気にする必要はありません。
しかし私のように妊娠前から貧血気味だった方は、妊娠初期の血液検査から「貧血」や「鉄欠乏貧血」などと診断されますので、その場合は、普段の食事に積極的に鉄分をとり入れたり、鉄剤を処方された場合にはしっかりと服用することをおすすめいたします。
赤ちゃんに血液を持っていかれるため
次に挙げられる原因が、お腹の中の赤ちゃんや胎盤にたくさんの血液を持っていかれてしまうために起こってしまう貧血です。
妊娠すると、お腹の中の赤ちゃんそして胎盤に、十分な酸素や栄養素を運ぶため、ママにはより多くの血液が必要となります。
現在、妊婦さんのおよそ30~40%が貧血と言われております。そして私のようにつわりがひどくなってくると、(鉄分を採らないと!)などと考えている余裕もなくなってしまうのが現状です。
日々生きていくために手探りで食べられるものを口に入れる、そう言った状態が、数週間から数か月続いてしまいますので、貧血はますます深刻な状態になってしまいます。
多くの女性が鉄欠乏性貧血
貧血にはいくつかの種類がありますが、貧血であるほとんどの女性が「鉄欠乏性貧血」になります。
厚生労働省の調べによると、13歳以上の女性は、1日におよそ12mgの鉄が必要なのに対して、現在女子高生や若い女性の鉄摂取量は平均しておよそ8mg程度しか摂取できておりません。
厚生労働省の所要、量を満たしている人は100人に1人から2人と言うデータが報告されておりますので、このことからも女性の鉄欠乏症貧血はもはや「現象化」されていると言っても過言ではありません。
葉酸やビタミンB12が不足すると巨石芽球性貧血に
葉酸やビタミンB12が不足すると、巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)になることもありますので、注意が必要です。
骨髄では、ビタミンB12や葉酸と言ったビタミンの助けがないと、正常な赤血球をつくることができません。
その結果、通常の赤血球もよりとても大きな「巨赤芽球」と言う赤血球の母細胞が現れることがあります。
このような異常な赤血球は成熟しないうちにしんでしまうことがほとんどで、その結果貧血が起こってしまいます。
巨石芽球性貧血の症状としては、一般的な貧血の症状のほかに
- 舌がびりびりする
- 舌の表面がつるつるになる
- 食欲不振
- 吐き気
- しびれた感じ
このような症状が出て来てしまいます。そしてひどくなると神経症状が足にまで出てきて、歩行困難になることもありますので注意が必要です。
ですので妊娠中は葉酸やビタミンB12もしっかりととるようにしましょう。
ちなみに私は葉酸の必要性を妊娠前から知っておりましたので、妊娠前からいつ妊娠しても良いように葉酸サプリを飲んでいました。
妊娠中におすすめの葉酸サプリのランキングを参考にしていただき、ぜひ妊娠前からとり入れることをおすすめいたします。
ピロリ菌が原因の場合も
がんこな貧血の場合にはピロリ菌が悪さをしている場合もあります。
ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜が萎縮し、鉄の吸収が悪くなり、その結果貧血となってしまいます。
ピロリ菌に感染すると、胃潰瘍や胃がんなどのリスクも高くなりますが、ほとんどの方は無症状のまま慢性胃炎で一生を過ごすことになります。
ただ胃粘膜が萎縮すると胃酸の分泌が減少しますので、鉄の吸収が悪くなり、それにより鉄欠乏性貧血が起こるといった流れになります。
日本では中高年の方に多く、特に50歳以上の方のおよそ60%、60歳以上の方ではおよそ70~80%の割合でピロリ菌に感染していると言われています。
50歳以上の方がピロリ菌に多く感染している原因として、昔の不衛生な水道設備が主な原因だとされています。
現在の日本での水道環境は安全だと言われていますが、今から50年以上前の私達の親世代の頃は、上下水道の普及率が低く、衛生状態が良くありませんでした。
特に水道管の中のヌルヌルした部分にピロリ菌が生殖していることが多くあったようです。
ピロリ菌はキスでは感染しないとされていますが、親がかみ砕いた物をお子さんに口移しで与えると言った行為ですと、大切なお子さんにピロリ菌を移してしまう可能性がありますので注意が必要です。
一概に年齢だけでは判断することができませんが、気になる方は一度、消化器系内科などで検査してみることをおすすめいたします。
消化器内科ではピロリ菌を除菌することもできます。
妊娠中に気を付けるべき貧血の症状
ここからは妊娠中に気を付けて頂きたい貧血の症状について詳しく解説していきます。
ヘモグロビンの数値
まずはヘモグロビンの正常な数値から見ていきましょう。
ヘモグロビンの正常値は以下の通りです。
男性:13~16.6g/dl
女性:12~16g/dl
女性の貧血を数値的にお伝えすると
ヘモグロビンの数値が以下の状態です。
10~12:軽度の貧血
7~9:中度の貧血
4~6:重度な貧血
ちなみに私は双子を妊娠している9ヶ月目頃のヘモグロビンの数値は「6」でした。
双子を出産する1ヶ月前から大学病院に入院し、鉄剤を服用するだけでは間に合わないとのことで、毎日30分程かけて点滴から黄色い液体の鉄剤を補給していただいていました。
しかし出産予定3日前になっても、ヘモグロビンの数値はほとんどかわらず…
なので双子を産む3日前からは赤い色をした、まるで血液のような鉄剤を、点滴ではなく、「トンボ針」と呼ばれる本当の針を血管に刺して30分かけて体内に入れて頂いていました。
この時、看護師さんとお話ししていて気がついたのですが、点滴の針って針じゃないんですよね。
柔らかくて細いストローなようなものが刺さっているので、結構動いても大丈夫なのです。
実際私が管理入院をしている時には、点滴の針が24時間刺さったままの状態でしたが、そのままお風呂に入ったり眠ったりしていました。
ただ「トンボ針」と呼ばれる針は本当の針なので動いてはだめなんですよね。
仕方のないことだったのですが、もう二度とあの「トンボ針」は刺されたくないなと思います。
気を失ってしまう場合もある
鉄が不足すると、身体の中に十分な酸素が行きわたらなくなってしまいます。
息切れがしたり、疲れやすくなったり、めまいや立ちくらみ、と言った症状が出てくる方も少なくありません。
そして貧血がひどくなると気を失って「ばたん」と倒れてしまうこともあります。妊娠中に気を失ってしまうと、、、想像しただけで怖くなりますね。
ですのでぜひしっかりと貧血対策をして頂ければと思います。
またまた私の話で恐縮ですが、私は人生で2回程気を失ったことがあります。
2回とも妊娠中ではありませんが、学生の頃、とある病気のせいで食事が1週間程取れておらず、今から思うと貧血状態だったんだったんだと思います。
母がほとんど何も食べられていない&1週間程熱が下がらない私を心配して大きな病院に連れていってくれた時に1度と、そのまま入院になり看護師さんにたっぷり採血をされた後にもう1度気を失いました。
1度目は母や看護師さんの前で倒れたのですぐに処置をして頂けましたが、2度目に倒れた時にはトイレでしたので、誰にも気が付いてもらえず、自分で点滴のガラガラを起こして(気を失なった際に倒れていたようです)病室まで帰ったのを覚えています。
ただ今では食生活もきちんと見直し、毎年の健康診断のヘモグロビン数値も13と回復しており、もうバタンと倒れるようなこともなくなりました。
めまいや頭痛
脳は身体の中で最も酸素を必要とする箇所になります。
また脳は生命活動を維持し、さらに言語活動や精神活動もコントロールする場所になります。その活動のエネルギー源になっているのが、酸素とブドウ糖です。
心臓から脳へと送られる血液が他の臓器よりも多いのは、脳にはそれだけの血液が必要だと良くことになります。
脳の病気の多くが血管障害から起こることからも、脳の活動が血液によって成り立っているお陰だとお分かり頂けるかと思います。
ですので貧血による酸欠状態は脳にも大きな影響を与えることになります。
まずはめまいや頭痛と言った症状から現れて、さらにひどくなると上記でご説明させて頂いたように気を失ったり失神してしまうこともあります。
間違えやすいのが、朝礼の時に倒れたり、急に立ち上がった時に起こる立ちくらみは「脳貧血」により起こるものです。
貧血は血液中の赤血球が少なくなり酸素の供給が減少し起こる症状なのに対して、脳貧血は起立性低血圧が原因で、脳に回ってくる血液が一時的に減ってしまって起こる現象になります。
脳貧血は低血圧の症状の1つですので、貧血とは全く別物とお考え下さい。
妊娠中の貧血になった際のママや胎児への影響
妊娠中に貧血になってしまった場合、お腹の中の赤ちゃんやママに具体的にはどのような影響があるのでしょうか?
早産・低体重のリスクが1.2倍
妊娠初期から中期に、母体が貧血状態にあった場合、お腹の中の赤ちゃんが低体重で生まれてきてしまったり、早産になるリスクが1.2倍になると言われています。
私も含めて妊娠前から貧血だった人は、なかなかご自身が貧血だと気づかない人が多いのが現状です。
しかし妊婦健診では
- 妊娠初期
- 妊娠中期
- 妊娠後期
の合計3回、血液検査を行ってくれますので、その際にぜひヘモグロビンの数値などをチェックしてみて下さいね。
そして検査の結果、鉄剤を処方された場合にはきっちりと飲んで下さい。
加えてつわりがひどくない場合には、鉄を多く含んだ食材(下記も参考にして下さい)や必要であればサプリなどもとり入れながら、ヘモグロビンを正常な数値に戻してあげることをおすすめいたします。
赤ちゃんも貧血状態に
ママが貧血の場合は、お腹の中の赤ちゃんも十分な鉄が蓄えられず、産まれた後も貧血を発症してしまう確率がアップします。
乳児期の鉄不足は免疫機能も正常に働かなくなってしまうことがありますので注意が必要です。
出産時大量出血の可能性も
ママの体が出産時になっても貧血状態が続いていると、少しの出血でも血圧が下がりやすく出血量が増える可能性があります。
大量出血になってしまうと、輸血が必要になり、母子ともに危険な状態になってしまいます。
またまた少し話がずれてしまいますが、実は私、1人目出産の際には癒着胎盤と言って、通常は赤ちゃんがお腹の中から出てくると、胎盤は2~3分後にするりと体外に出てくるのもなのですが、子宮に胎盤ががっつりと癒着しており、担当医がどうにかこうにか剥がしてくれて、とっても痛い思いをした覚えがあります。
担当医は私に心配をかけまいと、出産後黙々と胎盤を剥がす作業をしてくれていたのですが、1人目の母子手帳を見てみると、出血量が約2000mlとなっていました。
通常、出産時には300mlが平均出血量になっており、500ml以上出血すると「異常出血」と定義されています。
そして2000ml以上の出血になると、母体の生命に危険が及ぶ可能性が出て来てしまうようで、輸血が必要になってくるのもこの辺りの数値からになります。
私は1人目は個人病院での出産でしたので、輸血の準備なども確保できずに少し危ない状態だったみたいですが、担当医の腕によりなんとか輸血をせずに無事に出産、退院することができました。
今から思うと産後とっても疲れやすかったのは出血量が多かったせいなのかな、と思います。
そして2人目、3人目の双子の出産時の出血量はなんと約3000mlでした。(汗)
これは当時の私が重度の貧血だったから、と言う理由だけではなく、その他諸々のハイリスク妊婦だったせいでもあります。
双子の時には大学病院での出産でしのたで、輸血の準備やその他先生方のお陰で無事に出産できたのだと、今さらながら心から感謝しております。
産後も引き続き貧血になりやすい
妊娠中に貧血だった妊婦さんは、産後も引き続き貧血になりやすい傾向にあります。なぜならまずは出産時にたくさんの出血をするから。
そして産後も、ママの母乳は血液から作られておりますので、ママの血液はどんどん赤ちゃんに流れていってしまいます。
その上産まれたばかりの赤ちゃんは夜中も何度も目を覚まし、必然的にママも起きて授乳やおむつ替えなどをしなければなりません。
上記でもお伝えした通り、人間は眠っている間に血液が作られますので、睡眠不足のままだと十分な血液が作られることなく朝を迎えてしまう、と言ったことになってしまいます。
睡眠時間のアドバイスとしては、夜は出来る限り赤ちゃんと一緒に眠るようにして下さいね。
家のことが気になったり、今までのように自分の時間が欲しくなる気持ちは痛いほどよーく分かりますが、ママの体が回復するまで、そして赤ちゃんとの生活リズムがつかめるまでは、ほんの少しの間ですので辛抱して下さい。
私は1人目を出産後は、しばらく出産前と同じように0時頃まで起きている生活を続けていましたが、あの頃は本当に毎日常に眠たかったです。
そして1人目が2歳頃になる頃にようやく一緒に眠ればいいんだ!と気が付き(←遅い)、21時頃に眠るようになり体が本当に楽になりました。
子育ても楽しめるようになり、もっと早くからこうしておけば良かったと思いました。
最初の内は夜中に何度も起こされるので、お昼間もママが眠かったりだるい場合が多々あると思います。そんな時にはぜひ、赤ちゃんと一緒にお昼寝して下さい。
家事は赤ちゃんが起きている間の、ご機嫌な内にするのが一番です。
赤ちゃんは最初の内は、朝寝、昼寝、夕寝と1日3回程お昼寝をしてくれるので、朝寝とお昼寝は一緒に寝て、夕寝の時に家事をしたり、ドラマを見たりしましょう。(笑)
後は旦那様にも洗濯物を干してもらったり、食器を洗ってもらったりして協力してもらって下さいね。
では貧血にならない為に、または貧血を改善するためにはどんな食べ物に効果があるのか見ていきましょう。
妊娠中の貧血に良い食べ物や栄養について
ここからは、貧血を改善するための鉄を多く含む食材レシピをご紹介させて頂きたいと思います。
なるべく簡単なレシピを載せておりますので、まずは1つからでも試してみて下さいね。
鉄を多く含む食材
まず最初に鉄を多く含む食材からご紹介します。
鉄を多く含む食材(1食あたり)
肉類
- 豚レバー(80g)10.4mg
- 鶏レバー(50g)7.2mg
- 牛レバー(80g)3.2mg
魚介類
- あさり(缶詰や水煮1缶105g)39.7mg
- カツオ(なまり節・80g)4mg
- 牡蠣(45g)1.2mg
豆製品
- レンズ豆(乾燥・50g)4.7mg
- 大豆(乾燥・30g)2.8mg
- 生揚げ(100g)2.6mg
- 納豆(50g)1.7mg
野菜
- 小松菜(70g)2.0mg
- ほうれん草(70g)1.4mg
- 大根(葉・30g)0.9mg
- 枝豆(30g)0.8mg
海藻
- ひじき(干し・10g)5.5mg
- あおのり(5g)3.7mg
レバー類やアサリ、ひじき辺りがとてもたくさんの鉄がとれる事がわかりますね。
では次に簡単に作れるレシピをご紹介していきます。
アサリとブロッコリーのボンゴレ
アサリはたくさんの鉄を含んでいることは、上記の数字からもお分かり頂けるかと思います。
加えてブロッコリーはビタミンCがたくさん含まれていますので、鉄分の吸収を助け、鉄分補給にはぴったりなレシピになります。
材料(1人分
- スパゲティ 70g
- アサリ 80g
- ブロッコリー 30g
- 塩 適量
- オリーブオイル 大さじ2分の1
- にんにく 1かけ
- 白ワイン(なくても可)大さじ2
- 黒コショウ 適量
作り方
- アサリは塩水に漬けて砂抜きをしておきます。殻をこすり合わせて洗って下さいね。
- 沸騰したお湯にスパゲッティ1%分の塩を加えて、袋表示より1分程短くゆで上げます。ブロッコリーはお好みの大きさに切り分けます。
- フライパンにオリーブオイル、にんにくを加えて香りを出します。次にアサリと白ワインを加えて蓋をして蒸します。アサリの口が開いたら一度お皿に取り出します。
- 茹で上がったスパゲティとゆで汁を少し、そして黒コショウを3のフライパンに入れて混ぜます。
- アサリとブロッコリーを戻し、手早く混ぜたら出来上がりです。
カツオのたたきのサラダ
他のお刺身に比べてカツオのたたきは比較的安く手にはいるのでおすすめです。
またカツオには鉄が多く含まれておりますので、貧血予防にはおすすめの1品です。
辛みの少ない新玉ねぎや赤たまねぎが手に入ったらぜひ作ってみて下さい。
材料(1人前)
- カツオ 100g
- 新玉ねぎまたは赤たまねぎ 50g
- ねぎ 適量
- しょうが 適量
- ポン酢 適量
作り方
- 玉ねぎ(または赤玉ねぎ)はスライサーなどで薄くスライスし、辛みを抜くために5分程度お水につけておきます。水を切る時にぎゅーっと絞るとより辛みが抜けて美味しく頂けます。
- 水気をきった玉ねぎの上に、食べやすく切ったカツオをのせます。
- ねぎを小口切りにし、カツオの上にパラリと散らして、ショウガをまぜたポン酢をかけたら出来上がりです。
アサリと野菜の卵とじ
鉄分をたっぷりとることのできるアサリは貧血予防におすすめです。
材料(1人分)
- アサリ(むき身) 100g
- 長ネギ 40g
- にんじん 30g
- 生しいたけ 20g
- サラダ油 小さじ二分の一
- だし 二分の一カップ
- しょうゆ 小さじ2
- みりん 小さじ2
- 卵 2個
- 三つ葉 10g
作り方
- アサリはさっと水洗いし、水気を切っておく。
- 長ねぎは斜めに薄く切り、にんじんは短冊切りにする。生しいたけは軸をとり、薄く切り、三つ葉は約3cm程に切っておく
- 鍋に油を熱し、長ネギ、にんじん、生しいたけの順番に炒めてしんなりしてきたらアサリも加えてサッと炒める。
- 3にだし、しょうゆ、みりんを加えて野菜が柔らかくなるまで煮る。
- 卵をほぐし、4にまわしいり、三つ葉を散らして卵が半熟になるまで蓋をしたら出来上がり。
どれもかんたんにできるレシピばかりなので、とってもおすすめです。
アサリのお吸い物
食欲のない時にでも、比較的飲みやすい汁物になります。
鉄を多く含むアサリでしっかりと鉄補給もできるので一石二鳥の1品です。
材料(1人前)
- アサリ(殻付き) 70g
- 水 1カップ
- 塩 小さじ3分の1
- 長ネギ(三つ葉でも可) 適量
作り方
- アサリは塩水に漬けて砂抜きし、殻をこすり合わせて洗っておきます。
- 長ネギは千切りして、水にさらして白髭ねぎにします。
- お鍋に1のアサリと水を入れて火にかけ、アサリの口が開いたら塩を加えます。
- 器に入れて2をのせます。
貧血になったしまった時に対処法について
それでは貧血だと医師から判断されてしまった場合は、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか?
いくつか例をあげておきますので、できることからまずは1つずつでも実行してみましょう。
朝食を食べる
朝食をとることで血糖値が上がり脳にスイッチが入ります。
加えて自律神経も昼間の活発に働くモードに切り替わりますので、朝食をとることで心身の健康に繋がると思って頂いて間違いありません。
実は私は昔っから朝食は食べないで育ってきました。(汗)
なので子どもが産まれるまでは、本当に朝ごはんを食べなかったんですよね。
きっと私が貧血だったのも、朝ごはんを食べなかったことが大きく関係しているんじゃないかと思っています。
ただ子どもが産まれてからは、なるべく子供と一緒に朝食をとるようにしています。そのお陰か、ヘモグロビンの数値も幾分良くなりました。
現実は、朝はバタバタしているので自分のために準備するのはミルクたっぷりのコーヒーだけです。後は子供達が残したものを私がきれいに食べています。
一応、母親として「残さずに食べてね」と声かけはしますが、朝は完全にワンオペ育児のため、なるべく機嫌よく学校や保育園に送り出したいと考えています。
私が怒るとどうしても怒り過ぎてしまうので「後もう一口だけ食べて行こう」などと声かけはしますが、無理に食べさせたりはしないようにしています。
正解かどうかは別にして、これでみんなご機嫌に登校、登園できているので我が家では良しとしています。
と、話がとってもずれてしまいましたが、現在ではおよそ4人に1人が朝食を食べていないと厚生労働省の栄養調査で報告されています。
朝どうしても食欲が出ないと言う方は、果物や梅干しなどの酸っぱい食品や、おかゆ、スープなどから少しずつ慣らしていくのも良いでしょう。
ヘム鉄と非ヘム鉄をバランスよく摂取する
鉄には、お肉やお魚などの赤みに多く含まれる「ヘム鉄」と、野菜や穀類、豆類、海藻類などに多く含まれる「非ヘム鉄」がありますが、「ヘム鉄」の方が吸収が良いとされています。
また「非ヘム鉄」はビタミンCや動物性のたんぱく質と一緒に摂取することで吸収が良くなりますので、ビタミンCの多いお野菜と肉と魚を組み合わせて食べるのは、貧血と診断された方にとってとても良い食べ方になります。
多品種を組み合わせたメニューで効率よく鉄をとるようにしましょう。
市販の食品も上手に利用
最近では鉄分をたくさん含んだシリアルやヨーグルト、そして葉酸を強化した卵やパンなどたくさんの種類の食品が市販されるようになりました。
貧血予防の助けにもなる、鉄や葉酸を補強した市販食品を上手に利用するのもおすすめです。
例えば
- 1日分の鉄分ヨーグルト(オハヨー乳業) 1個あたり鉄11mg
- 玄米フレーク(日本ケロッグ) 100gあたり鉄9.4mg
- 鉄プラスコラーゲンウエハース(ハマダコンフェクト) 3枚あたり鉄7.5mg
- チーズで鉄分ベビーチーズ4個入り(六甲バター) 1個あたり鉄1.9mg
- プルーンFe1本で1日分の鉄分を飲むヨーグルト(メグミルク)1本あたり鉄7.5mg
このような市販品が手軽に鉄を補給できる食品になります。
私のおすすめは「鉄プラスコラーゲンウエハース」です。
妊娠中は毎日おやつ替わりに食べていました。普通のウエハースのように美味しくて、今は子供達のおやつにも大人気です。
これらの商品はコンビニやスーパーなどでも手に入るものがほとんどですので、上記以外でも鉄補給を意識しながらご自分に合ったものを探してみて下さいね。
担当医に相談する
妊娠中、下記のような貧血の症状がある場合には一度担当医に相談してみて下さい。
- 動悸・息切れ
- 顔色が悪いと言われる
- めまいや頭痛
- 全身がだるく、疲れが取れない
上記でお伝えした通り、妊娠中には3回血液検査により貧血の検査も行われますが、上記の症状を強く感じる場合には、一度担当医に相談してみることをおすすめします。
処方された鉄剤はしっかりと飲む
現在、多くの妊婦さんが「鉄欠乏性貧血」であることは上記でもお伝えしましたが、鉄欠乏性貧血そのものの治療としては、足りていない鉄を補充するために鉄剤を服用することになります。
最近では1日に1回、1~2錠の服用で十分な徐放鉄剤(鉄剤が少しずつ消化管で吸収されるお薬)が広く使われるようになりました。
加えて上記の食生活にも気を付けながら、医師の指示通りにしっかりと鉄剤を服用して下さい。
また鉄剤を服用しているからと、食事の面をおろそかにしてしまいがちですが、それはいけません。
鉄剤にはかなりの鉄分が含まれておりますので、短期間で貧血の症状や数値が良くなる場合が多々あります。しかしそれは鉄剤のお陰であって、鉄剤を辞めてしまうとまた数値は元通りになってしまいます。
ですのでまずは食事から鉄を取ることを目標に、バランスの良い食事を心がけて、鉄剤の効果をさらに高めることをおすすめいたします。
現在の鉄剤は胃に優しい成分がほとんどですが、それでも人によっては吐き気や上腹部の不快感、下痢などの副作用が出てしまうことがあります。
そのような場合には担当医と相談しながら、胃薬と一緒に服用したり、寝る前に服用して、そのまま眠ってしまって副作用を感じにくくする、と言うのも一つの手だと思います。
気を付けて頂きたいのが、症状が良くなってきたからと言って、勝手に服用をやめたり、逆に量を増やしたりするのは厳禁です。
どのような場合でも、まずは「担当医と相談する」と言うことをお忘れにならないようにお願い致します。
鉄剤と併用して漢方薬治療も効果があります
鉄欠乏性貧血の治療には、鉄剤の服用と食事の改善が大切です。
しかし血液の働きはヘモグロビンの量だけでははかることはできない、と漢方の世界では考えられています。
貧血であった期間が長ければ長いほど、また重症であった程、全身が受けた影響は大きくこれを「血虚」と言います。
漢方では貧血は血虚の病としており、血液が不足したり薄くなっている状態を差します。
皮膚のかさつきやささくれ、爪がもろくなる、抜け毛、不眠、集中力の低下やこむら返りなどが長年続いたり、将来のさまざまな不調の原因ともなってしまいます。
(そう言えば私も貧血時代はこむら返りがひどかった。。。)
このような症状には漢方と鉄剤を併用することで、さらに治療効果を上げてくれること期待できます。
血虚には血液の循環をよくする「四物湯(しもつとう)」や「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」がよく使われております。
また鉄の吸収を良くする漢方としては「人参湯(にんじんとう)」や「四君子湯(しくんしとう)」、「六君子湯(りっくんしとう)」などの人参系の漢方が使われることもあります。
いずれも体力がなく疲れやすい方に向いている漢方になります。
現在は漢方薬を処方してくれる産婦人科も多くありますので、鉄剤と漢方を併用される場合には必ず医師の指示をあおるようにして下さいね。自己判断は禁物です。
妊娠中の隠れ貧血に注意
隠れ貧血、と言う言葉を聞いたことがありますか。隠れ貧血とは、血液検査のヘモグロビンの数値などは正常値なのに、貧血の症状が起こる、と言った潜在性鉄欠乏性とも言われております。
血液の検査はヘモグロビンの数値でするのが一般的ですが、実はヘモグロビンの数値は一定の濃度が保たれるよう「フェリチン」と言う貯蔵鉄から補われる仕組みになっているのです。
フェリチンとは?
フェリチンとは全ての細胞にあるたんぱくのことを言います。
細胞の中に鉄を貯蔵し、鉄が必要な時にすぐに使えるように調整する働きを持っています。
血液の中フェリチンが微量に存在しており、「血清フェリチン」として測定することができます。
隠れ貧血の主な症状
隠れ貧血の主な症状を明記してみます。
4つ以上心当たりのある場合には、隠れ貧血の可能性がありますので、気になる方は一度担当医に相談してみることをおすすめいたします。
- 顔色や爪の色が良くない
- 疲労感がある
- 肩こりがひどい
- 目の下にくまがある
- 風邪をよくひく
- 睡眠不足
- 寝起きが悪い
私はかなり当てはまります…(汗)
ヘモグロビンの数値は回復していますが、次の健康診断ではフェリチンの数値もしっかりと確認したいと思います。
正常なフェリチンの数値
それでは正常なフェリチンの数値とはどの程度なのでしょうか?
フェリチンの正常な数値
20~120ng/dl
20ng/dl以下になりますと、重度の鉄欠乏性貧血となります。
また妊娠中はたくさんの鉄が必要になりますので、なるべく20ng/dl以下にならないように気を付けて下さい。
妊娠前の理想の数値は50ng/dlですので、この数値を上回るように、しっかりと鉄の多い食材をとるようにして下さいね。
妊娠中の貧血予防まとめ
貧血と診断されても、様々な方法で鉄を補給することができますね。
全部が全部手作りの食べ物からとらないと!と思ってしまうと気が滅入ってしまいますが、市販の食べ物や病院から処方される鉄剤、市販のサプリ、この辺りも上手に利用しても大丈夫と思うと少し肩の力が抜けて楽になりますよね。
妊娠中はただでさえ、食べ物などの制限が多くなりますので、なるべくご自分に甘く、だけどお腹の中の赤ちゃんとご自身のことはしっかりと管理することをおすすめいたします。
外食やコンビニのお弁当なども、鉄を多く含んでいる食材であれば問題ありません。
後はお腹の中の赤ちゃんとお話ししながらお散歩したり、ゆったりとした気持ちでお風呂に入ったりしてぜひ、貴重なマタニティライフを楽しんで下さいね。
私の書いたことが1人でも多くの方の目にとまり、参考にして頂ければ幸いです。
鉄分補給に!
妊活時期から妊娠中に必要とされる鉄分を豊富に配合したサプリメントを、食事と一緒に摂取することで妊娠しやすい体は少しづつ作られていきます。
色々な人気サプリメントに配合されている栄養成分や体への働きを比較して、今の自分に必要なサプリを見つけましょう。
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